そば打ちを始める方へのメッセージ


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手打ちそばとの出会い

大分以前の話です。山登りが好きな私が苗場の登山の際、宿泊した秋山郷の民宿でのこと。 宿のおばあちゃんが蕎麦を打つ姿、そしてできあがったそばの味に感動しました。
「そばとは、かくも美味しいものなのか」と。

それから私はそばが好きになり、雑誌などに紹介された各地の有名店の食べ歩き、また秋になると蕎麦の産地で開催されるそば祭りに足を運びました。 そしてそば打ち体験で自分で打ったそばに感動し、その後、本やビデオを購入し時々そばを打つ様になりました。 最初の頃は失敗の連続で、上手くなりたい思いで蕎麦道場入門を決意しました。しかしその頃、仙台に蕎麦道場を見つけることができず、福島に本格的な手打ち蕎麦道場があることを知り入門。 今では更なる上達を目指し、そばの旅を続けています。

手打ちそばの楽しさを多くの人に知ってほしい

そばの旅で気付いたことがあります。昔から仙台は東北の物流の中心だったためなのか、食に関しては何でもあり、食文化も盛んなため、そばはあまり注目されていない様です。そのため素人のそば打ち団体もも他県に比べ少ない様です。

宮城を「そば不毛の土地」とも言う人もいます。しかし一方では、宮城でも手打ちそばを楽しんでいる人達も少なからず居ることを知ったのです。私も彼らと一 緒に、そば愛好家の一人として、宮城におけるアマチュアのそば打ちの技術の向上と、そば打ちを通じた交流を広げていきたいと考えたのでした。

そして今、私達は「宮城そば打ち研究会」を立ち上げ、次の様なコンセプトで運営するに至ったのです。

〜そば打ちの楽しさを知ってもらう〜
そば打ちには「そば粉に水を含ませる」「練る」「切る」「ゆでる」といった工程があります。
材料はそば粉、つなぎと水のみ。一見単純に見えるその工程。
ところが実際に打ってみると、それぞれの工程全てが意外と難しいことに気付かされます。
今はDVD教材、道具などをネット販売を通じて簡単に入手することができ、そば打ちを始める敷居も低くなりました。
それでも、そういった難しさは自分ひとりだけではなかなか解決できず、壁に突き当たることが多々あります。
そんな時、経験者(あくまで素人)のちょっとしたアドバイスがその壁を越すきっかけになることも応々にしてあるのです。
私達の会では、そんな壁ひとつひとつを解決する丁寧なアドバイスを差し上げることができます。
壁を越えたのちに見える風景を見たとき、そこには本当のそば打ちの楽しみが待っていると思います。
〜自分だけのそばを楽しんでもらう〜
ひととおり自分でそばを打てる様になったとき、あなたはその美味しさにきっと驚くことでしょう。
そうしたら次は自分の好みの味のそばを探してみませんか?
残暑も終わる10月。一足先に秋を迎る北海道からは本州より先駆けてそば粉の出荷が始まります。
続いて岩手、福島、信州と、それぞれ特色ある味を持った産地のそば粉が目に入ってきます。
それら各地のそば粉を使って打つ、それぞれ味の違う「新そば」。
自分自身で打つことが無ければ体験できなかった格別の味。
それは出来合のそばでは絶対に味わえない楽しみです。
〜自身の技術の向上を〜
ここまで来れば家族や周囲の人達にも、「そばはこんなに美味しかったのか!」と感動してもらえるようになるでしょう。
自分自身が感じた驚きを、他の人達に追体験してもらえる嬉しさもまた幸せです。
でもせっかくなら、奥行きの深いそば打ちの世界にもう一歩踏み込んでみませんか?
そば打ちは職人技です。そして職人はパフォーマーでもあります。彼らのパフォーマンスには一種の荘厳さすら感じますが、決して見栄えだけの無駄な動きでは無く、ひとつひとつに意味合いがあります。
そのようなそば打ちの所作も向上させたいと考えるなら、自身の技術を客観的に確かめてもらうこともできます。
そば打ちの技量を認定する全麺協(全国麺類文化地域間交流推進協議会)では段位認定業務を行っています。私達は全麺協での段位認定取得に対するお手伝い、アドバイスも致します。
段位に挑戦することで、あなたもそば打ちの達人に近づいていくことができるのです。

〜そば打ちを通してのボランティア活動を行う〜
私達の会ではそば打ちを通して地域に貢献することも大事にしています。 震災後は何ヵ所かの被災地や仮設住宅にお伺いし、皆さんに打ちたてのそばをご提供し、とても喜んでいただくことができました。